広河隆一への告発報道は非常に衝撃的でした。
広河氏からの反論がまだ十分には出ていない状況ではありますが、週刊文春の記事の最後のインタビューによれば
・DAYS JAPANに出入りしていた女性と関係を持ったことがある
・女性スタッフへのヌード撮影があった
という二点については認めています。
薬害エイズがメディアで大きく取り上げられる以前に広河隆一氏の著作「エイズからの告発」という本を読みました。
医療・医学の世界の学閥のネットワークを解析し、研究者・医師の戦争責任・薬害責任を追及する内容だったのを覚えています。そして、「昭和天皇が七三一部隊の存在を知っていたか、知らなかったか」という近代史の重要論点にも言及がありました。
DAYS JAPAN 2012年4月号増刊 「検証 原発事故報道~あの時伝えられたこと」
福島第一原発事故直後の大手メディアの報道を時系列にまとめて超一級の基礎資料です。
超人的に根気が必要とされるテレビ報道の活字起こしを担当したのは、(広河隆一氏ではなく)同志社大学浅野健一ゼミの学生たちです。
この辛抱強い企画はDAYS JAPANでなければ実現できませんでした。
ぼくを含めて
「川田龍平さんと一緒に薬害エイズの告発をし、チェルノブイリや福島の被害者の救済をする人だから、異性に対してもクリーンな人物だ。」
というイメージを抱く人は少なくないと思います。
「それとこれとは全然違う」のですが、なかなか現実と理想イメージの混乱から抜けられません。
広河隆一氏への告発報道を読みまして、山口敬之氏のケースと比べずにはいられませんでした。
山口氏のバックには、最高権力者の代紋があります。絶対に逮捕も起訴もされないという自覚をもって、レイプをしました。
最高権力者の威光を自覚しているだけに、突っ込みどころ満載のやり口でした。
ホテルの防犯カメラに(合意が無いのが明らかな)映像を残したり
レイプをしたことを認める内容のメールのやり取りをしたことを、
サイバースペース上で告発されて拡散されてメンツ丸つぶれです。
山口氏のやり口は、幼稚でした。
告発報道によれば、広河氏の事の進め方は巧妙です。
若い女性スタッフに対して
指導を受けられる仕事が始まる前だとか
仕事場で厳しく叱責されて凹んだ後だとか
ガードが緩くなったタイミングを見計らって、広河氏のペースで事を仕掛けています。
山口氏よりも場数を踏んで頭が切れることが感じられました。
広河氏からの反論がまだ十分には出ていません。
女性のヌード撮影とDAYS JAPANの記事がどう関係するかの説明は非常に難しいと思っています。
但し、広河氏からの反論次第では意見を変えるかもしれないです。