2019年02月

沖縄の県民投票について
 
この程度の住民投票の結果を受けて、「沖縄の民意」だとか「安倍政権への鉄槌」だとかいえる連中こそ、最も安倍政権の支配を受けやすい連中です。
 
20年以上前の新潟県巻町の原発用地購入の是非を問う住民投票で、
 
 
「笹口氏は早速、東北電力の、地元での原発用地購入の是非を問う住民投票の実施を決め、町民に対し『主権者の町民が、十分な判断力で示した結果は効力を持つ。賛成多数なら原発建設へ、反対多数なら建設は不可能になる』との中立なメッセージを送った。」
 
とあるように笹口町長は「原発用地購入の賛成多数なら原発を建設する」と明言しました。
 
投票の結果、
 
「1996年8月に投票が行われた結果、投票率は実に88パーセント、用地購入に反対する票が約6割を占めた。」
 
という民意があったから
 
「1996年8月に投票が行われた結果、投票率は実に88パーセント、用地購入に反対する票が約6割を占めた。『私は記者会見で<町有地は東北電力に売却しない。巻原発の建設は不可能だ>と宣言した』。そして1998年8月、笹口氏は町長として、町有地を原発建設反対派に売却。止めを刺された形の東北電力は、2003年12月に巻原発建設計画の撤回を発表した。」
 
と住民投票の結果を受けて原発用地売却を拒否しました。
 
翻って玉城知事はどうか?
 
 
辺野古県民投票、賛成多数なら…玉城知事「コメントできない」
 
とありました。玉城知事は、賛成多数でも、住民投票の結論を受け入れない含みを残しています。
 
住民投票の結論を受け入れない含みを残すのなら、そもそも住民投票をやる意味がないです。住民投票の結果が玉城知事の意見と違った場合、知事が拒否権を発動できるのなら、住民投票は民意を問う選挙では無いです。
 
玉城知事には
 
「もし辺野古移設への賛成多数なら、辺野古移設をオレは推進する。」
 
と選挙前に言明しなければ、投票の公平性が担保できないです。
 
「民意だ、民意だ」と言う割には半分近くの人は投票すらしなかったです。
 
これだけ重要な論点が問われているにもかかわらず、投票率が50パーちょっとしかなかったです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190225-00557283-shincho-pol
 
沖縄県の有権者の半数近くの人は、
 
「どーせ、辺野古移設への賛成が多数だったとしても、知事のツルの一声で結論が覆すことができる選挙だから、投票に行っても行かなくても大差ない。」
 
とドッチラケだったからこそ、投票所に足を運びませんでした。
 
何百万回でも繰り返します。
 
笹口町長は
 
新潟県巻町の原発用地購入の是非を問う住民投票で、「原発用地購入の賛成多数なら原発を建設する」とお尻に火がついた明言をしました。
 
玉城知事は
 
辺野古移設への是非を問う住民投票で、「辺野古移設への賛成多数の場合はコメントできない」と安全パイを隠し持ちました。
 
沖縄の県民投票は、巻町の住民投票に比べて遥かに低い価値しか持ち得ません。安全パイを隠し持った選挙の価値よりも、お尻に火がついた選挙の価値の方が遥かに高いからです。
 
実際に巻町の住民投票の投票率が90パー近くまでいっていたのに、今回の沖縄の県民投票は半分ちょっとの投票率しかありませんでした。
 

安全パイを隠し持った選挙の結果に舞い上がって道路で泳いでいる連中こそが、安倍政権の支配を最も受けやすい連中だと思いました。

もう一年も経ってしまいましたが、CNNの驚きの動画です。
 
フロリダの乱射事件の生き残りの高校生と、フロリダ選出上院議員との直接対決です。
CNNの記事はこちらです。
 
ガーディアンの記事によれば、このMarco Rubio議員は全米ライフル協会から献金を受けています。
 
 
Though Rubio has only received $4,950 from the NRA, the number vastly underestimates the amount the group has spent on efforts boosting his candidacy. In 2016, the NRA funnelled more than $1m into efforts to re-elect the senator in Florida. And according to an estimate in the New York Times, Rubio ranks among the top 10 beneficiaries of the NRA in the Senate.
 
聴衆が、Cameron Kasky氏に拍手喝さいです。自分が彼と同じ年齢で同じ立場になったとしてここまでストレートに意見をぶつけられるかと自問自答すると恥ずかしくなります。
 
Rubio議員の
 
"There's money on both sides of every issue in America," Rubio said. "I will always accept the help of anyone who agrees with my agenda."
 
「(政治家の政策に対しては部分否定と部分肯定の積み重ねになるから)銃規制賛成派からも銃規制反対派からも献金を受け容れることは間違ってはいない。たとえば、税制や医療保険について、銃規制賛成派と銃規制反対派の意見が一致することもある。」
 
という考え方です。一見つじつまが合ってはいるのですが、どうも腑に落ちないです。
 
Cameron Kasky氏と、(Rubio議員に)ブーイングをした聴衆の反論としては
 
「これだけ痛ましい事故が起きたのだから、今できることを全部やるのが政治家の仕事だろ?」
 
というものです。
 
Rubio議員はNRAとの関係を絶つと明言して欲しかったです。
 
分かりやすくて質の高いガーディアンのまとめ記事です。
 
このような大事件がおきてみると、英米のジャーナリズムは強靭だと思います。
 
 
 
 
 
 

六辻彰二氏の
「加計学園問題に関する単純な疑問『日本では獣医師が不足しているのか?』:データでみる国際比較」
についてです。
 
六辻氏の

「獣医師を特定の地方、特定のセクターに誘導することを重視するなら、既に日本全体で数が十分である以上、獣医師の総数を現状より増やす必要があるかは疑問です。」

という主張に全く共感できませんでした。

ニュージーランドでは日本を含む海外出身者にも広く門戸を開放しています。教育の質も高いです。
http://www.ecube.co.nz/content/427

ニュージーランドの獣医師制度は、需要に見合った人数しか獣医師にさせないという制度ではありません。
ニュージーランドのMassey大学の獣医学部のサイトを確認したところ、
  a.. Over 1000 students
  b.. 250 staff
とありました。
http://www.massey.ac.nz/massey/explore/departments/school-veterinary-science/school-veterinary-science_home.cfm

「ニュージーランド獣医師免許を保持していればニュージーランド以外に、アメリカ、カナダ、イギリス、ヨーロッパ諸国、南アフリカ、オーストラリアでも働くことが可能なので、それらの国で働くことなども視野に入れています。」
とのことです。
http://www.ecube.co.nz/content/427

総理のお友達に便宜を図り国家戦略特区を隠れ蓑にして岡山理科大学獣医学部を創設したことは非常に不公正なことだと思います。でも、獣医師の需要に見合った人数に、獣医師資格取得者を制限することが質の維持と関係あるとは全く思えませんでした。

国家資格を取得するということと、終身在職権を保障する(獣医師が失業するリスクを受け入れる)ということを表裏一体にしなければならない理由が全く分かりませんでした。

東京医科大学の不正入試についての記者会見は非常に思い上がった態度でした。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO33910710X00C18A8CC1000/

遥か太古の昔から不正があるにもかかわらず、二年前までしか救済にさかのぼらない。このような思い上がった態度を取れる理由は
https://www.tokyo-med.ac.jp/news/2018/1107_202007001942.html

「他所の医学部もみーーんなオレたちと同じことをやっている。不正入試の被害者への個人補償を例外なくやったら、ほとんど全ての医学部が破産する。医師の人数が極端に制限されているのに、本気で処分したら日本の医療は成り立たなくなる。」

という、医師の人数が制限されていることを人質に取った思い上がりからです。質の維持のために国家資格取得者の人数を制限するという主張は一見もっともらしく見えますが、現実には「独占業務の既得権維持」にしかつながっていないと思いました。
 

最近読み返した本ですが、三十年の歳月を感じさせない言葉であることに愕然といたしました。
以下引用です。
 
岩波ブックレット「長崎市長のことば」4P
本島等 長崎市長(当時)の発言
「市長とか知事、大臣というものは公の立場で発言しなければならない。とくに、国会や地方議会で発言するときには正直でなければいけないと思っています。正直という言葉は古い言葉だけれど、私は、非常にいい言葉だと思っています。議会答弁は、それが本質でなければならないと思っています。時にはありのままに言えないこともありますが、いま、国会・地方議会とも、政治家がいかに演出するか、いかにうまい言葉でつくろうかということが多くて、それが問題になっています。」
 
 
昭和から平成の変わり目の時代には
 
本島等長崎市長だけでなく
 
大嘗祭を批判して右翼に銃弾を打ち込まれた弓削達フェリス女学院大学学長
 
の双璧で、言論に信念を貫く政治家・大学人がいたということは永久に歴史に刻まれることです。
 
追記:天皇代替わりのジンクス
 
天皇代替わりのジンクスというのを大江志乃夫氏の本で知りました。
不思議なめぐり合わせだと思っています。
 
明治:陸軍のストライキで西園寺内閣が倒れ、護憲運動の大衆の力で桂内閣を打倒した(大正政変)。
大正:金融恐慌の後始末に失敗した若槻内閣が倒れ、満州某重大事件の真相究明について軍部に屈服した田中首相が退陣した。
昭和:リクルート事件と消費税導入で世論の支持を失った竹下首相が退陣し、続く宇野内閣も女性問題で参院選に惨敗し退陣した。
平成については、ぼくが考えました。
森友学園・加計学園の認可・公有地払下・補助金交付をめぐる虚偽答弁・公文書改ざん疑惑・統計データ不正等について、世論の強い関心を背景に安倍内閣を野党が厳しく追及中
 
というところでしょうか。

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