荻上チキ氏による木村英子さん・舩後靖彦さんへのインタビューの活字起こしが公開されました。
非常に残念に思ったのは、パラリンピックとオリンピックへの言及が無かったことです。でもそれを差し引いても、大きな意義のあるインタビューでした。
舩後靖彦氏の発言についての前川喜平氏のツイート
前川喜平は聡明な男です。舩後靖彦氏の重要な発言を決して見逃しませんでした。
インタビューのキモ その1
◆安倍政権への視線は?
荻上:現在の安倍政権について、舩後さんはどういう風にご覧になってますか?
舩後:消費税増税はデフレを20年以上長引かせることになっているので全くいただけません。現在 、自民党ホームページにも改革などの左傾化した言葉があるそうですがご存知ですか?総理の祖父の岸元総理は、上司にアカと言われ激怒したそうです。それを知っているはずの安倍総理があえて左傾化した言葉を使うのは勇気あることだと思いますし、その根底には安倍政権が野党に対して柔軟な態度で接するという思いがあるような気がします。もしそうならその点については評価致します。
舩後さんは自身が安倍総理のメル友であり、安倍総理自身が国会答弁で関係を認めていることについて、このインタビューでは言及しませんでした。
森友問題発覚後の約二年半の国会での審議を通して
舩後さんの発言のような
「安倍政権が野党に対して柔軟な態度で接するという思い」なんてものは全く感じられませんでした。
数の力で強行採決を繰り返し、都合の悪い文書は記録が無いか改ざんするかで議論から逃げまくるの繰り返しでした。
安倍総理の野党に対する態度のどこに柔軟さがあるのかさっぱり分かりません。
舩後靖彦氏には、安倍総理と交わしたメールの全てを情報公開する義務があります。
インタビューのキモ その2
荻上:最後にこの6年間の議員生活に向けての抱負や課題について教えてください。
舩後:全ては教育にありと考えています。日本の30年前を考えれば、時代も変容し、国際障害者年や障害者自立支援法が生まれ、そして重度障害者が国会議員になった。その時代背景によって変化する事象や慣例もあると思います。全ては教育にあり。私は、10年20年後に未来を創造して、代わる障害者に対する偏見を教育で変えたいと思います。さらに子供の頃から、潜在意識の領域、さらに深く無意識の領域にまで存在する「差別意識」を除外する倫理・道徳教育は必要と考えています。重度訪問介護の不備も喪失した人々の潜在意識の領域ならびに無意識の領域に重度障害者には生産性がないという確定した思いがあるからです。かと言ってその方々を責めているわけでは全くありません。大東亜戦争の日本が弱体化するために GHQ が導入した教育や文化が要因と考えていますが、具体的には掴みきれていません。
この発言からすると、安倍総理の都合の良い方向に舩後靖彦を誘導することが可能です。こういう方面の調略にかけては、安倍総理(と子分)の方が何枚も上手です。
差別を無くすためには正しい教育が必要だ。→戦後のGHQによる教育は個人主義を推奨してきた。→個人主義を推奨する教育のせいで、大多数の個人は自分さえよければいいと考え、自立が困難な他人を見て見ぬふりをするようになった。→潜在的な「差別意識」を除外するには、GHQが介入する以前の倫理・道徳教育が必要だ。
という論法で誘導すれば、舩後靖彦を日本会議に取り込むことは可能です。
「そんなことはない!」と反論したい連中に言っておく。
舩後靖彦と安倍晋三のメールのやりとりを見たのか?
安倍総理との交流について自身の口から言及しないで、「安倍政権が野党に対して柔軟な態度で接するという思い」だとか、(日本会議が導入を熱望している)倫理・道徳教育について発言をする以上、舩後靖彦議員と安倍総理がどんな関係なのか、ぼくら主権者には知る権利があると思いました。