カテゴリ: 天皇制

オール沖縄は、安倍政権を毀せるだけのうねりを生じさせられないと思います。
 
外交についての意見の違いの分類
ⅰ)アメリカの言いなりになる。南北朝韓・中国に舐められたくない。慰安婦・労務者への個人補償は論外。←安倍総理
ⅱ)アメリカの言いなりになるな!南北朝韓・中国にも舐められたくない。慰安婦・労務者への個人補償は論外。
ⅲ)アメリカの言いなりになるな!南北朝韓・中国と未来志向で仲良くしたい。慰安婦・労務者への個人補償には反対。
ⅳ)アメリカの言いなりになるな!南北朝韓・中国と歴史認識を共有した上で仲良くしたい。慰安婦・労務者への個人補償にも賛成。

アメリカの言いなりになるな!という点ではⅱ)~ⅳ)の人たちが比較的簡単に連帯できます。基地問題については比較的連帯が容易です。
 
でも、対南北朝韓・対中国外交の基本理念に隔たりが大きすぎます。

オール沖縄の議員・支援者全員に

・アメリカ国内に慰安婦像を設置することへの賛否

・竹島・尖閣諸島の領有権の存否
 
・慰安婦・労務者へ(日本国の税金を財源にした)個人補償の賛否
・トモダチ作戦に参加した兵士への(日本国の税金を財源にした)個人補償の賛否
 
・明仁や徳仁らのワケの分からない天皇祭祀が政教分離に違反するかどうか
 
などをアンケート調査してみたら、ⅰ)の安倍晋三と変わらないことを言う奴らが必ずいます。

基地問題以外での連帯は難しいです。新外交イニシアチブの猿田佐世事務局長
に公開質問させていただきます。
 
「日本国政府が税金を使って、
 
慰安婦・労務者へ個人補償をすること、
 
トモダチ作戦に参加した兵士へ個人補償をすること
 
は、日本国の国益に反することだと思うか思わないか?」
 
を ぜひ訊いてみたいものです。
 
「アメリカの言いなりになるな!」という一点でのオール沖縄の連帯は、あらゆるテーマを網羅するような広がりなんか持てないで終わると思いました。

慰安婦や戦後補償についての議論をすっとばして、拉致問題の被害者の人権ばっかり取り上げる連中こそが、安倍政権の支配を最も受けやすい連中です。こんな連中ばかりだから、安倍総理は楽勝で4選されます。
 
ワシントンポストに安倍首相の二枚舌を批判する厳しい論調の記事がありました。
翻訳記事
 
「未来志向」で過去の清算をウヤムヤにすることに賛成しておいて、拉致問題についての一方的な被害者を装ってもドッチラケというのが国際社会での道理です。
以下引用
 
Mr. Abe has a right to complain about Pyongyang's stonewalling. What's odd -- and offensive -- is his parallel campaign to roll back Japan's acceptance of responsibility for the abduction, rape and sexual enslavement of tens of thousands of women during World War II.
安倍首相は、拉致問題に対する「平壌の頑固さ」に文句を言うくせに、大日本帝国が植民地の若い女性の人生を台無しにしたことについての「東京の頑固さ」に何の矛盾も感じていないのは国際社会で異様に映る(超意訳)。

If Mr. Abe seeks international support in learning the fate of Japan's kidnapped citizens, he should straightforwardly accept responsibility for Japan's own crimes -- and apologize to the victims he has slandered.
慰安婦や労務者に対する個人補償から逃げまくっておいて、拉致問題の一方的な被害者を主張しても国際社会で説得力ゼロ(超意訳)。
 
以上引用終わり
 
日本が蚊帳の外にいるのは、慰安婦や労務者への個人補償から逃げまくったことが最大最悪の元凶だからです。安倍首相の無能外交への批判が拉致問題について集中していることから、安倍政権がこれだけ長く続いてしまった理由がわかる気がしました。
 
時系列でいえば、拉致よりも戦時賠償・戦後補償の方がずっと前です。戦時賠償・戦後補償について話がついてから拉致について話をするのがスジです。にもかかわらず、戦時賠償・戦後補償をすっ飛ばして拉致問題を取り上げる人は非常に多いです。
 
国の誤りのせいで、福島第一原発近隣住民の人生をめちゃくちゃにしました。
 
国の誤りのせいで、トモダチ作戦に参加した兵士の人生を台無しにしました。
 
国の誤りのせいで、元慰安婦や元労務者の人生をめちゃくちゃにしました。どちらも国が個人補償をする義務があります(一時金払いが無理なら分割年金形式でいいから)。
 
ところが、日本の勤労者・知識人・政治家・官僚・財界人は、戦争で加害したことの責任を認めて南北朝鮮・中国の戦争被害者にお金を払うのがイヤなんです。
 
戦争で加害したことの責任を認めて南北朝鮮・中国の戦争被害者にお金を払うのがイヤだということについては、日本の圧倒的多数の人々は安倍首相と利害がピッタリ一致しています。加害者としての賠償・補償責任をウヤムヤにしょうとする人間の非常に暗い面に安倍首相はうまく付け入りました。
 
この付け入りが大きな効果を発揮したのは、ぼくも含めた日本の圧倒的多数の人々には歴史認識の視座がいい加減であることに起因していると思いました。
 

最近読み返した本ですが、三十年の歳月を感じさせない言葉であることに愕然といたしました。
以下引用です。
 
岩波ブックレット「長崎市長のことば」4P
本島等 長崎市長(当時)の発言
「市長とか知事、大臣というものは公の立場で発言しなければならない。とくに、国会や地方議会で発言するときには正直でなければいけないと思っています。正直という言葉は古い言葉だけれど、私は、非常にいい言葉だと思っています。議会答弁は、それが本質でなければならないと思っています。時にはありのままに言えないこともありますが、いま、国会・地方議会とも、政治家がいかに演出するか、いかにうまい言葉でつくろうかということが多くて、それが問題になっています。」
 
 
昭和から平成の変わり目の時代には
 
本島等長崎市長だけでなく
 
大嘗祭を批判して右翼に銃弾を打ち込まれた弓削達フェリス女学院大学学長
 
の双璧で、言論に信念を貫く政治家・大学人がいたということは永久に歴史に刻まれることです。
 
追記:天皇代替わりのジンクス
 
天皇代替わりのジンクスというのを大江志乃夫氏の本で知りました。
不思議なめぐり合わせだと思っています。
 
明治:陸軍のストライキで西園寺内閣が倒れ、護憲運動の大衆の力で桂内閣を打倒した(大正政変)。
大正:金融恐慌の後始末に失敗した若槻内閣が倒れ、満州某重大事件の真相究明について軍部に屈服した田中首相が退陣した。
昭和:リクルート事件と消費税導入で世論の支持を失った竹下首相が退陣し、続く宇野内閣も女性問題で参院選に惨敗し退陣した。
平成については、ぼくが考えました。
森友学園・加計学園の認可・公有地払下・補助金交付をめぐる虚偽答弁・公文書改ざん疑惑・統計データ不正等について、世論の強い関心を背景に安倍内閣を野党が厳しく追及中
 
というところでしょうか。

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