カテゴリ: 戦後補償

文大統領から安倍総理へのメッセージです。
文大統領からすれば当然のことかもしれませんが、驚きました。安倍総理に対してはらわたが煮えくり返っていても、それはそれです。
 
韓国の文在寅大統領は14日、台風19号によって日本の東北や関東などの広域で大きな被害が出たことに関し、「被害に遭った多くの日本国民が一日も早く平穏な日常を取り戻せることを心より願っている」と記した電報を安倍晋三首相に送った。
 
東日本大震災の直後のことを思い出しました。
集会に参加した元慰安婦女性や韓国挺身隊問題対策協議会は、「犠牲者の冥福を祈ります」「在日僑胞、日本市民の皆さん、頑張ってください」と書かれたプレートを手にし、黙とうをささげた。
香港の自由の女神 周庭さんも
皆様、ご無事でしょうか。台風の被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
 
大日本帝国による香港侵略があっても、それはそれです。
 
AFPで重要な記事です。
記事のキモは
 
The game had added poignancy as it came a day after Typhoon Hagibis smashed through Japan, killing dozens of people and triggering landslides and flooding. The match was only confirmed at the last minute after safety inspections.
 
Although reports of the typhoon dominated Japanese newspapers, the rugby victory featured on the front pages of all the major titles, including the Nikkei business daily.
 
の2箇所だと思います。
 
プロ野球では、阪神タイガースの新井貴浩選手が、東日本大震災直後に「今は野球どころではない」
 
08年12月に労組・日本プロ野球選手会の会長に就任すると11年3月に起きた東日本大震災直後には「今は野球どころではない」と、シーズン開幕の延期を求めて奔走した。
 
と発言したのはあまりにも有名な話です。
 
今はラグビーどころではないのに、安倍総理は被災者救済をそっちのけでラグビー観戦し、大新聞もラグビーをトップ記事にする。停電・断水で家財一式が水浸しの状態で、「勇気と感動をありがとう」なんて説得力がゼロだと思いました。
 

オール沖縄は、安倍政権を毀せるだけのうねりを生じさせられないと思います。
 
外交についての意見の違いの分類
ⅰ)アメリカの言いなりになる。南北朝韓・中国に舐められたくない。慰安婦・労務者への個人補償は論外。←安倍総理
ⅱ)アメリカの言いなりになるな!南北朝韓・中国にも舐められたくない。慰安婦・労務者への個人補償は論外。
ⅲ)アメリカの言いなりになるな!南北朝韓・中国と未来志向で仲良くしたい。慰安婦・労務者への個人補償には反対。
ⅳ)アメリカの言いなりになるな!南北朝韓・中国と歴史認識を共有した上で仲良くしたい。慰安婦・労務者への個人補償にも賛成。

アメリカの言いなりになるな!という点ではⅱ)~ⅳ)の人たちが比較的簡単に連帯できます。基地問題については比較的連帯が容易です。
 
でも、対南北朝韓・対中国外交の基本理念に隔たりが大きすぎます。

オール沖縄の議員・支援者全員に

・アメリカ国内に慰安婦像を設置することへの賛否

・竹島・尖閣諸島の領有権の存否
 
・慰安婦・労務者へ(日本国の税金を財源にした)個人補償の賛否
・トモダチ作戦に参加した兵士への(日本国の税金を財源にした)個人補償の賛否
 
・明仁や徳仁らのワケの分からない天皇祭祀が政教分離に違反するかどうか
 
などをアンケート調査してみたら、ⅰ)の安倍晋三と変わらないことを言う奴らが必ずいます。

基地問題以外での連帯は難しいです。新外交イニシアチブの猿田佐世事務局長
に公開質問させていただきます。
 
「日本国政府が税金を使って、
 
慰安婦・労務者へ個人補償をすること、
 
トモダチ作戦に参加した兵士へ個人補償をすること
 
は、日本国の国益に反することだと思うか思わないか?」
 
を ぜひ訊いてみたいものです。
 
「アメリカの言いなりになるな!」という一点でのオール沖縄の連帯は、あらゆるテーマを網羅するような広がりなんか持てないで終わると思いました。

慰安婦や戦後補償についての議論をすっとばして、拉致問題の被害者の人権ばっかり取り上げる連中こそが、安倍政権の支配を最も受けやすい連中です。こんな連中ばかりだから、安倍総理は楽勝で4選されます。
 
ワシントンポストに安倍首相の二枚舌を批判する厳しい論調の記事がありました。
翻訳記事
 
「未来志向」で過去の清算をウヤムヤにすることに賛成しておいて、拉致問題についての一方的な被害者を装ってもドッチラケというのが国際社会での道理です。
以下引用
 
Mr. Abe has a right to complain about Pyongyang's stonewalling. What's odd -- and offensive -- is his parallel campaign to roll back Japan's acceptance of responsibility for the abduction, rape and sexual enslavement of tens of thousands of women during World War II.
安倍首相は、拉致問題に対する「平壌の頑固さ」に文句を言うくせに、大日本帝国が植民地の若い女性の人生を台無しにしたことについての「東京の頑固さ」に何の矛盾も感じていないのは国際社会で異様に映る(超意訳)。

If Mr. Abe seeks international support in learning the fate of Japan's kidnapped citizens, he should straightforwardly accept responsibility for Japan's own crimes -- and apologize to the victims he has slandered.
慰安婦や労務者に対する個人補償から逃げまくっておいて、拉致問題の一方的な被害者を主張しても国際社会で説得力ゼロ(超意訳)。
 
以上引用終わり
 
日本が蚊帳の外にいるのは、慰安婦や労務者への個人補償から逃げまくったことが最大最悪の元凶だからです。安倍首相の無能外交への批判が拉致問題について集中していることから、安倍政権がこれだけ長く続いてしまった理由がわかる気がしました。
 
時系列でいえば、拉致よりも戦時賠償・戦後補償の方がずっと前です。戦時賠償・戦後補償について話がついてから拉致について話をするのがスジです。にもかかわらず、戦時賠償・戦後補償をすっ飛ばして拉致問題を取り上げる人は非常に多いです。
 
国の誤りのせいで、福島第一原発近隣住民の人生をめちゃくちゃにしました。
 
国の誤りのせいで、トモダチ作戦に参加した兵士の人生を台無しにしました。
 
国の誤りのせいで、元慰安婦や元労務者の人生をめちゃくちゃにしました。どちらも国が個人補償をする義務があります(一時金払いが無理なら分割年金形式でいいから)。
 
ところが、日本の勤労者・知識人・政治家・官僚・財界人は、戦争で加害したことの責任を認めて南北朝鮮・中国の戦争被害者にお金を払うのがイヤなんです。
 
戦争で加害したことの責任を認めて南北朝鮮・中国の戦争被害者にお金を払うのがイヤだということについては、日本の圧倒的多数の人々は安倍首相と利害がピッタリ一致しています。加害者としての賠償・補償責任をウヤムヤにしょうとする人間の非常に暗い面に安倍首相はうまく付け入りました。
 
この付け入りが大きな効果を発揮したのは、ぼくも含めた日本の圧倒的多数の人々には歴史認識の視座がいい加減であることに起因していると思いました。
 

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